いち在日朝鮮人kinchanのかなり不定期更新日記

はてなダイアリーから移行しました。古い記事ばかりになりましたが、ボチボチ更新していこうと思います。

無権者のkinchanより、有権者の皆様へ。『投票に行ってください!』

お久しぶりです。本当に忙しくて、ブログ放置しております。
そんななかでも頻繁に寄っていただき的確なツッコミを入れてくれる諸兄に感謝しております。いつもありがとうございます。

さて、短く書きます。
次の日曜日に衆議院総選挙が行われます。
所得税府民税市民税固定資産税ビタ一文負からず支払う(手元で計算したら年六〇万円弱、はぁ)など、社会の一員としての義務はたぶん不足なく負っているが朝鮮人で生まれたことが理由で無権者の私は、自分の意見を、その影響を否が応でも受ける政治に、まったく反映させることができません。しかし有権者の皆様にはそれができます。是非、選挙権を棄権せずに行使してほしいと思います。
台湾の学生デモ然り、発展途上国独裁政権が牛耳る国然り、普通参政権が確保されているということは本当に貴重なことです。(たぶん)公正な普通選挙権、主権者がこの権力を行使しないなんて、本当にもったいないと思います。数年前に帰化した私の兄は、最初に投票所入場券を受け取ったとき、「震えた」って言っていました。投票先はどうするか、私に電話来たりしました。無権者にとって、有権者が持っているこの権利は輝かしく見えます。それを行使しないなんて、本当にもったいないです。
是非投票に行ってください。自分の主義に沿う、ベターな候補者や政党に、一票入れてください。

とはいえ、近視眼的な着眼で、危険な政党に入れるのはご免蒙りたいので、少し思うところを書いておきたいと思います。



1)「戦争ができる国」に突き進もうとする現在の時世を憂いた、大橋巨泉さんのこのコトバを忘れることができません。
 『戦争とは、爺さんたちが始め、おっさんたちが命令し、若者が死んでゆくものだ』
他国との優劣や、あつれき、いさかいを強調し、「日本が危ない」「攻め込まれたらどうする」とキナ臭く好戦的な視点しか持ち合わせない政治家や政党ではなく、対話や協調によって戦争をしなくてもよいような政策を取り得る政治家や政党に投票してほしいと思います。戦争準備より対話・友好のほうが、誰も傷つきませんし、結果平和になりますし、カネもかかりません。
特にいまの政権政党が権力を握り直してからというもの、政権中枢にネオナチ勢力とただならぬ親和性を持った政治家らが座り、近隣諸国との過去の不幸な出来事を否定し、再評価しようとし、瑣末な意志の齟齬を強調し、争いを煽ることばかりに熱中してきました。報道の自由や思想信条の自由に、政権党の中枢が「公正中立のお願い」なる恫喝文書を送りつけることにも抵抗が無くなっています。ここ数年「チュウゴクガー」「カンコクガー」と他国を嘲る下品な文句ばかりが書店を賑わし、「朝鮮人を殺せ」と叫ぶ下劣なヘイトスピーカーを警察が護り、反対する住民を転び公妨で拘束する、という露骨な所業に、大手マスコミが不感症を決め込んでいるのも、それとは無縁ではないでしょう。このような日本社会の劣化を促進する政治勢力とは、キッパリを訣別するための投票行動を、是非お願いしたいと思います。



2)「民主主義=多数決」だと声高に叫び、「手続き」をないがしろにする政治家や政党は危険です。多数決は民主主義における意思決定の手段に過ぎません。意思決定の前には、少数意見の主張に耳を傾け、議論し、結論に取り入れる、という「手続き」を必ず経なければなりません。それが民主主義の基本であり原則です。しかし、国会然り、大阪での橋下府政市政然り、『多数派だから民意』と暴論を吐き、少数意見を一顧だにせず、まともに議論すらせず、意の向くままに勝手に政治を進めようとする勢力が跋扈しています。これを修正する必要があります。自らの正当性をも捻じ曲げるような、民主主義を軽視する政治勢力とは訣別する、という投票行動を、是非お願いしたいと思います。



他にも思うことは多々ありますが、私は無権者ですので、有権者の判断にただただ身を委ねるしかありません。日本社会に未だ良心が残っていることを信じるしかありません。
日曜日、投票に行ってください。よろしくお願いします。