いち在日朝鮮人kinchanのかなり不定期更新日記

はてなダイアリーから移行しました。古い記事ばかりになりましたが、ボチボチ更新していこうと思います。

いち在日朝鮮人のkinchanに在日特権は適用されているのかを検証する(1)そもそもこれを書くに至った理由

ネットでよく見かける記事に「在日コリアンには特権が与えられているからけしからん」的なのがあります。

私は生まれてこのかた「特権」を享受したためしがなく、どこの世界のことを言っているのかよくわからないし、自分が特権階級なのだという実感は何もない、というのが率直な感情です。

この類のカキコミは、いわゆる「ヒガミ根性/やっかみ根性」の気が色濃く、「俺はこんなに苦労してるのに、なんで朝鮮人朝鮮人のくせしていい暮らししてんだよぉ」的な香りがプンプンします。その人自身の苦労や疎外感、空虚感の要因が朝鮮人にあるはずもなく、いいとばっちりで笑えます。

私には彼らが、ジャイアン(子どもたちの中ではまさに権威やね)の影で「のび太のくせに生意気だぞ」って言うしか能のないスネ夫のように見えるので、実に微笑ましい。
こんなトンデモなカキコミをする彼らの思考回路をこんな感じです。
・生まれがいい(日本人に生まれた、朝鮮人には生まれなかった、あぁ良かったね、ということ)ことしか自慢が無く、それ以外に誇れることがない。誇り高い日本国・日本人という権威にしがみついて生きている。自分は国を愛している(カタチはともあれ)が、当然に国は何もしてくれない。それどころか朝鮮人のほうがいい暮らしをしているらしい。日本国は日本人ではなくガイジンに特権を与えている。日本は日本人のものだ、ガイジンのものではない!そんな特権をむさぼるガイジンは出ていけ!
・活躍できる場所がなくすっかり卑屈になってしまったが、そんな自分でもプライドだけはそれなりにあって、ささやかでもいいから優越感に浸りたい。朝鮮人は日本人よりも下賎な卑しい人間らしい。ネットには日本人より朝鮮人がいかに下劣かという証明で溢れている。自分は薄暗い部屋で引きこもっているが、朝鮮人の愚かさを日夜収集していれば、自分は「これよりはマシ」ということを発見できる。何とか自分の自尊心を保っていられるし、ブログで親切に教えてあげれば、他の人も喜んでくれる。自分は存在価値があるんだ!朝鮮人を退治することに生きがいを見つけたぞ!
近からずとも遠からずではないでしょうか?

この種のカキコミは、もともとは公衆便所の落書き程度の価値しかなかったものです。社会の変化の中で、先行きが見えず行き詰まる(生き詰まる)人や、疎外感や空虚感を覚える人が増え、ニートや引きこもりが加速度的に増えるに到ると、笑えるやっかみ本「嫌韓流」の力も手伝って、このような落書き的クズ言動が、他に情報を持ち合わせない、あるいは情報を取捨選択しない、知識や見識のフィルターを通さない一部の人にはさもそれが揺るぎのない真理のように見え、徐々にそれになびく人が増えていきます。
挙句に、在特会に代表されるレイシスト団体や極右団体が、マイクを片手に在日コリアン一般を口汚く罵りながら練り歩き、手当たり次第暴力を振るいながら悦に入るという、恥を切り売りするような行動が日本各地で起こるに至ります。

最初は私も、彼らのデモ行進やヘイトスピーチを、路傍の汚物を見るような冷めた目で見ていればよかったのです。それが絶望的にも、彼らになびき理解を寄せ、その呼び掛けに煽られ訳もわからずプラカードを自作して不健康な顔をして集結するようになったり、あるいは司法官憲の、レイシストのガス抜きを放任しつつ、逆に反動分子はここぞとばかり逮捕する、というような恣意的行為によって、業務妨害不当逮捕などの実害が出るまでに及びます。

ここまで至っていよいよ私も、傍観者でいたのでは良くない、いまある知識や考えを発信し、クズどもに伝染する人をひとりでも減らさなければ、と考えるようになりました。とりあえず、彼らの言うことがいかに根拠が無いか、いかに現代までに私たちの先人が追い求めた理念と掛け離れているのか、彼らの主張はただ単に自らのサディスティックな悪趣味を正当化するだけの屁理屈に過ぎないか、ということをはっきりさせておく必要がある、と考えます。(※)

次より、私が思うところを述べていくようにします。
方法としては、まず総論として、彼らの論拠の根本に反論を試みます。
次に各論として、ネット上に転がる在日特権を拾ってきて、
・いち在日朝鮮人のkinchanに在日特権は適用されているのか?
在日コリアン一般に適用されている「特権」など存在するのか?
について検証します。

あまり文献等に頼らず、いまある知識を頼りに書こうと思いますが、私とは違う切り口で「在日特権」幻想を崩していただける方の支援も期待したいと思います。



(※)在特会などの「行動する保守」を支持する人の中には、「彼らのやり方には賛同できないけれども、言っていることは正しい」などと本気で思っている人もいるようです。考え直してください。ヘドが出ない自信があるなら彼らが嬉々としてアップしている画像を見てみてください。実に楽しそうです。自分たちの考え方を世の中に真剣に訴えているというより、世の中の冷めた反応を置き去りにして仲間内でつるんで楽しんでいるという方が近いでしょう?居酒屋でバカ騒ぎして顰蹙買っている若者と同じ臭いがしませんか?彼らの暇つぶし・ウサ晴らしに朝鮮人はネタにされていますが、正直愉快ではありません。