いち在日朝鮮人kinchanのかなり不定期更新日記

はてなダイアリーから移行しました。古い記事ばかりになりましたが、ボチボチ更新していこうと思います。

久しぶりに相当なバッドニュース。。。大阪はハシズムを選んだ。

本日、大阪府知事選と大阪市長選が実施されました。
大阪府民であり、大阪市民であり、府民税と市民税は日本人とビタ一文負からずで年間約40万円払っているのに公民権が無い私は、選択肢もなく傍観を決め込むしかなかったのですが(別に投票したかったわけじゃないけど)、つい先程テレビの速報が入りまして、大阪市長に橋下氏、大阪府知事に松井氏が当選したようです。

2人が属する「大阪維新の会」は、細かい政策など関心もありませんが、自分とは主張が異なると設定された者を「敵」に設定し、それを排斥することで大衆の人気を得ようとする政治手法をもてあそぶ者どもです。まさにファシズムならぬハシズムとは良く言ったものです。
「民主主義」と「多数者の専制」の区別も付かず、少数者は排斥しても多数者の支持があるから構わないのだ、という、政治手法として相当愚劣な部類に入ることを平気で行うわけです。
大衆が支持しているから公務員の給料は大幅カットだ、大衆が認めるから日の丸君が代に無条件で敬意を示せ、大衆の理解がないから朝鮮学校補助金はカットしてもいいのだ、大衆が知らないから府債乱発して「黒字です」とオリンパスでもやらないような粉飾決算、と。
その「大衆」とやらは相当に十分な情報が与えられないうえでの人気取り型世論であったり、声のでかい者の身勝手な主張であったり、人権や民主主義や多文化共生などには知識も関心もないなど、相当にフィクションや感覚劣化の部位が大きいのですが、彼らが設定する「大衆」が認める限り、何をやってもいいのだ、と。
橋下氏など「共産党さんが多数派を取ってから言ってください」と府議会で平気でのたまう有様です。その共産党議員もある一定の票を得て議会の席に座っているのに、その議会の議論など、お前らの意見などどうでもいいと言わんばかりです。手続をスットバすことを屁とも思わない首長など、危険すぎてとても任す気にはならないが、大衆の圧倒的な支持を得て、成り上がってしまいました。

昨年彼らは大阪都構想を掲げ議会で多数を握りました。しかし彼らはその時の選挙で明確に示さなかった教育への政治介入とやらを真っ先に断行しました。公立学校、朝鮮学校問わず『政治主導』とやらで政治家が教育現場におのれの主義を強要し、教師や生徒の良心を弄ぶこと何の抵抗感も無しにやってのけたのです。地方自治体の支配者が変わるたびに、教育の現場が為政者の意向を反映させなければならない。右に左に靡かなければならない。教育者の良心、生徒の将来を考えるとき、本当にそれでいいと思っているのでしょうか?何という貧しい政治なのでしょうか?
かつてのナチスがそうであったように、大衆的な熱狂の中で、大阪がファシズムの手に墜ちた歴史的な日を、ただただ表現しようの無い疲労感とともに迎えたkinchanでありました。これまでも東京が同じような政治手法の極右政治家が好き勝手やっているのを見ながら、日本の民主主義の貧しさを憂いていましたが、わが身の基礎自治体にその寵児が舞い降りるとは夢にも思いませんでした。

あぁ、久しぶりにバッドニュース。相当に。
この大阪において、社会の良識が、民主主義とは何ぞやを理解し、その手続を軽視せずに彼らを監視し続けること。
そして、府民が勘違い連中の横暴に屈することなく民主主義を守りとおすと信じる。